先日、あるお客様のビスポークシューズの納品が行われました。その靴はこのお客様にとって5足目のオーダーになります。これまでの4足で使用してきた革も、ボックスカーフ、コードバン、リザード、それにクロコダイル とほとんどの種類を網羅してしまいました。そして今回は、仏製アニリンカーフで、色はバーガンディ。レースステイ部分はギリータイプになっているのですが、紐を掛ける部分に小さいシルバーのコンチョが付くのです。ビスポークならではのオリジナリティ溢れるデザインです。


お客様はシルバーなどがお好きで、同じコンチョをベルトにもつけていらっしゃいます。今回は、その思い入れのあるコンチョを靴にも付けて欲しい、ということからこのビスポークは始まり、このデザインにたどり着きました。つくり手側から見ると、明らかに作るのが難しい靴ですが、お客様とお話していると、何とかして思いを叶えてあげられないか、という気持ちが湧いてきて、試行錯誤しながら靴づくりを進めていきました。


仮縫い段階ではほとんどワンピースで作ることになっていたのですが、コンチョの迫力が出すぎている感じがしたので、つま先部分をショートウィングチップに、踵も切り離してそれぞれに親子穴を入れることになりました。アッパーにどうやってコンチョを付けるか、ということも大きな課題でした。初めはギリータイプなのでベロがない仕様だったのですが、裏側にどうしても凹凸が出てしまうのです。スタッフといろいろ話し合って、甲の部分は当ると痛みを感じやすい部分でもあるので、ベロを付けることになりました。


そして、遂に完成した靴をお客様に納品することになりました。お客様はその靴をご覧になって、とても喜んでいらっしゃいました。私には、このデザインにたどり着くまでに話し合った色々な事、いざデザインが決まってからカタチにするまでの試行錯誤、などの紆余曲折が思い出されました。お客様の想いがこもった一足を、何とかカタチにできたことで、お渡しした時に、お客様とつくり手が一緒に達成感を味わう事ができた瞬間でした。その一足には、お客様とつくり手の色々な想いが「Share」されて、こもっているように私は感じたのでした。

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