こんにちは、工房の田沼です。

今回も、729日のレポートに引き続きホーウィンのコードヴァンブランデーカラーの靴をご紹介いたします。

こちらも前回のチャッカブーツ同様、コードヴァンの素材感を生かしたカジュアル寄りの靴に仕上がりました。

Uチップのバランスや羽根の大きさ、木型のトゥの形などホーウィンの持つ雰囲気を最大限に引き出せる形をお客様と入念に話し合い、模索しました。その結果、お客様にも大変気に入っていただけた、と思っております。

ホーウィン独特の油分を多めに含んだコードヴァンは、これから履き込んだ後のシワの入り方や雰囲気がとても楽しみです。

ところで、「靴のデザイン名の使い分けはどのようにしているのか」とたまに聞かれることがあります。例えば、今回の「Uチップ」とは、U字形の革片(チップ)を甲の切り替えに用いた(外羽根の)デザインという定義ですが、様々な呼び方があるのは皆さんもご存知だと思います。

幾つか例を挙げてみると、エプロンフロントダービー、ノルウィージャンダービー、ノルウィージャンブルーチャー、ブラッチャーモカ等です。

何れもUチップの部分をエプロンに見立てたり、モカシンの1種である事からその起源であるノルウィージャンとし、外羽根を表わす「ダービー」や「ブルーチャー(ブラッチャー)」を組み合わせてその名称としたものです。

どの呼び方でも良いと思いますが、今回のご注文ではアメリカの素材を使ったアメリカの匂いのする靴というのが一つのテーマでしたので、アメリカの影響を受けた日本的言い回しの「Uチップ」を採用してみました。やはり、「ダービー」とつくとイギリス的な感じになりますからね。

靴に関わる言葉では、人名や地名など色々なものがあるので、時々我々も混乱(?)することがあります。でも、そんな時は、企画担当者に尋ねたり、資料室で文献に当たったりして何とか答えを見つけています。

もし皆様も、名称などで何かわからないことがありましたら、遠慮なくお尋ね下さい。

 

 

 こんにちは、工房の田沼です。
今回は、昨年10月の「REGAL TOKYO」リスタートに際して開催した「ビスポークフェア」でご注文を頂いた「ホーウィン社」のコードヴァンを使った靴をご紹介させていただきます。
 「REGAL TOKYO」のビスポークは、甲革の品揃えで、水染めコードヴァンの種類を豊富にそろえていることが一つの特徴です。通常のブラック、ワイン、ネービー、タン、カーキに加え、藍、柿渋、茜と普通ではなかなか手に入らないものを用意しています。
前回のビスポークフェア開催に当たっては更にホーウィン社のコードヴァンを何とか手配し、ブランデーとワインの2色も用意させて頂いたのです。
今回ご紹介するのは、ブランデー色で作らせていただいた靴です。
デザインはフルブローグのチャッカブーツで、底付けはノルウィージャンウェルトにしてカジュアルに仕上げました。全体に重厚な雰囲気を出しつつも、ブランデーの持つ軽快な雰囲気を損なわないように気をつけ、木型やデザインのバランスなどを、お客様、パターン製甲の佐々木と共に入念に話し合いました。その結果は画像の通り、お客様にもご満足をいただき、大変に良い出来映えに仕上がりました。当日、お客様がお召しのデニムとの相性もバッチリです。

 

ブランデーコードヴァン.jpg

 

 

 

 

ところで、ホーウィン社のコードヴァンは、我々が日頃使っている国産の水染めコードヴァンと比べると油分を多く含んでいるので、厚みはしっかり確保されながら、しなやかな履き心地が感じられる素材と言えそうです。釣り込みなどの作業をしていて、そのしなやかさと成形性のよさを実感いたしました。そして、その仕上がりは、コードヴァン本来の良さのでた透明感のある風合いと独特のツヤ感がたまらない1足になりました。


 

現在、ホーウィンのコードヴァンの在庫はありませんが、また他にも面白い素材が入手できましたらフェアなどを開催して行きたいと考えていますので、どうぞお楽しみに!

 

 

 

 こんにちは、工房の田沼です。
ここのところ暑い日が続きますが、7月といえば、人類が初めて月面に着陸したのは今から40年以上も前の1969年の7月のことなのですね。アメリカが繁栄の頂点にあった頃で、このニュースに興奮を覚えるだけでなく、アメリカのフロンティアスピリットを感じたものだと私も親や先輩から聞いたことがあります。
さて、今回は先日納品させていただいたビスポークのご紹介です。


a20type-300x400-454.jpgこのお客様は、昔からリーガルを好んでお履きいただいていて(ありがとうございます!)、そんな中でも2112というプレーントウのモデルを特に気に入っていらっしゃるとのことでした。
しかし、既製品の2112は履き始めに小指が当たってしまい、履き慣らすまでに時間がかかってしまうという理由からオーダーをしていただいたのでした。
仮縫いでは、小指部分が当たるということは解消されたものの、もう少しタイトにした方が良いところが数箇所ありました。そして、お客様がお望みである「クラシックなアメリカ靴」の雰囲気がもうひとつ出ていないように感じました。
そこで、木型のフィッティングの修正、プラスつま先を短くすることにしました。デザイン面に関しては、2112の特徴である羽根部に施されている穴飾りのバランスや羽根の大きさなどを型紙、製甲の担当である佐々木とともに探りました。また、底付けも昔のアメリカ靴のそれを意識したウエルトや底材などの仕様にしました。
その結果、お引渡しの際に、お客様から「イメージ通りです」とのお言葉をいただきました。
お客様からのそういったお言葉や、ご満足そうな笑顔を拝見いたしました時に、職人としては、一番の喜びを感じることができます。
履きこんだ後の雰囲気もとても楽しみな靴に仕上がったと思っています。是非、この「クラシックなアメリカ靴」で確かな1歩を踏み出していただき、それがお客様の大きな飛躍の一助になることを期待しています。

 

こんにちは、工房の田尻です。


今回は、先日、納品が終わりました「H様」とのビスポークのやり取りの中で、改めて感じたことを書きたいと思います。
 

    「H様」とは、2008年末に初めてビスポークシューズのご注文をいただいてから、お付き合いさせていただいておりますが、

既に今回の納品で8足目です!


 「H様」は、いつも納品の際に次の靴のデザインを考えてこられ、私と一緒に具体的にどんな靴にしようか と検討されます。

私は「内羽根ならこんなタイプで・・・」というように、定番的なデザインを提案してしまう傾向があるのですが、「H様」は非常に自由な発想で

「こうやってみたら面白いと思うんですよ」とデザインや革の選定など、いつも新しい刺激を与えて下さいます。


  このように「H様」と一緒に決めた仕様を、今度は私が型紙・製甲を担当する佐々木に伝えて、「これは技術的に厳しい」、

「これはこうやった方がきれいに製甲が上がるのでは」などといろんな意見を二人で出し合います。そうやっていろんな角度から靴を眺めて、

話し合いを重ねながら今回の靴も出来上がったのでした。


   木型も1足目と比べるとだいぶ形が変わっています。セオリーは大事ですが、やっぱり履いて判ることの情報の方が圧倒的に多いですし、

ダイレクトに実感できます。お客様には、そうやって木型を修正することにより得られるビスポークのフィッティングの醍醐味や愉しさを

味わって頂きたいし、その為に自分も日々頑張らなきゃいけないと思います。


今回のお渡しで、改めてそんな気付きが得られたように、感じました。

 

3/11に起きた地震の後、多くのお客様から励ましのご連絡を頂きました。こちらは怪我人もなく無事にやっております。

この場を借りてお礼申し上げます。

こんにちは、工房の田沼です。

これまでにもお知らせしてきたとおり、本日10月8日()よりビスポークシューズ受注会が始まります。先週の「REGAL TOKYO REPORT」の最後に触れていたサンプルは、ご覧のようなストームウェルトを360度回したアメリカンタイプのプレーントゥで仕上げました。ホーウィン独特の風合いのあるコードヴァンは、デリケートな面もあり、是非一度ご覧いただきたい素材です。ダークバーガンディの革も見本として展示いたしますので、既成の靴との違いなども感じていただけるかもしれませんね。

また、今回は10月17日(日)までの期間中ずっと私と田尻が交代で、待機しております。スケジュールは、私、田沼が9、10、14、16、17の5日間、田尻が8、9、11、12、13、15の6日間で、その間は「釣り込み」等の工程をする予定です。ビスポークの靴づくりをご覧になりたい方がいらっしゃいましたら、お気軽にこの機会にお立ち寄り下さい。

11月にラウンドトゥの新木型でオーダー会を開催する九分仕立ての話などもご紹介できれば、と思っております。たくさんのお客様のご来店を銀座でお待ちしております。

こんにちは、工房の田沼です。実は、長年にわたって歴史を築いてきた千住の地を離れ、(株)リーガルコーポレーションは8月23日()に新浦安へ引越しいたしました。それに伴い、ビスポーク工房も引越し、1ヶ月が経ちました。真新しい工房に作業机や機械を入れ、新鮮な気持ちで頑張っています。工房は、靴づくりの様子が外からわかるようにガラス張りになっていて、私達にとっても開放感あふれる空間です。実は、革や木型など全部納まるかなあ、と思っていたのですが、なんとかきれいに納まりました!(ほっ)

この新しい工房からたくさんの靴を送り出して、たくさんの方にお履き頂きたいという思いもあり、10月8日()からビスポークシューズ受注会を開くことにしました。その内容は、先週の「REGAL TOKYO REPORT」でも少し触れていましたが、素材によるスペシャルが・・・あのホーウィン社のコードヴァンです!ホーウィン独特の油の入ったしなやかさと味わいのある深い色合いがとても魅力的です。ただいまフェアーに合わせて、この革を使ったサンプルを作製中です。どんな雰囲気の靴が出来上がるのか、作りながら今からわくわくしています。


20100924-2.jpg

 また、今回はさらにJ・レンデンバッハのオークバークソールが期間限定でアップチャージなしでお選びいただけます。この底材は、かなり締りがよく、作り手にとっては底付けするのにいつもよりチョッと大変なところがあります。ビスポークシューズを何度もオーダーされた方の中には、その堅さをお好みにならない方もいらっしゃいます。そんなコードヴァンやオークバークソールにご興味のある方は、是非一度現物を見に銀座までいらして下さい。私と田尻が交代で、お待ちしております。

こんにちは、ビスポーク工房の田尻です。

  今回は、最近お渡ししたオーダーシューズを、お客様のご了解がいただけたので、ご紹介させて頂きます。


    この靴は、そのお客様の3足目のご注文となるジッパー付きのブーツで、素材は、黒のイタリア製カーフと腹子(ハラコ)のコンビです。お客様が以前にご来店された際、この腹子の美しさに惹かれ、オーダーを即決されたのです。


  腹子革とは、胎児から生後間もない仔牛の毛皮のことで、英語では「Unborn Calf」といいます。その為、革自体も非常に数が少なく入手が困難です。大きさも小さいのですが厚みも薄く、大変しなやかで柔らかいという特徴があります。今回使用した腹子革はとても上質で、毛並みの肌触り、光沢感は「素晴らしい」の一言に尽きます。


 このようなデリケートな革とイタリア製の光沢のあるカーフの組合せは、作り手にとっては、かなり気を使うことが多いのですが、形になっていくにしたがって、その絶妙なハーモニーが際立って表現されるようになりました。


オーダーをされたお客様は、非常に華奢な足型の方なので、細みのラウンドトゥにこの繊細な素材はとてもマッチしたと思います。そして今回は同じ素材でベルトもお作りになりました。こちらもスターリングシルバーのバックルに腹子革の光沢感がとても合います。


「ハラコ」という表示がされているものは、ポニーなどを使っていることが多いので、なかなか本物をご覧になった方もいらっしゃらないのではないでしょうか。今回ご紹介させていただきましたが、この希少素材にご興味のある方は、早めにお問い合わせ願います。在庫も「文字通り」限られていますので。

実演やってます

May 07 2010

こんにちは、「REGAL WOMEN 銀座店」の斉藤です。

 先週の29日(祝・木)から始まりました「工房職人の九分仕立て受注会」ですが、予想以上の反響に驚いています。 正直言うと、こんな不景気なご時勢ですし、8万円以上もする靴をオーダーして下さる方がどれだけいるのか心配だったのですが、前回を上回る数のお客様にオーダーをいただいております。ご来店いただいた皆様、本当にありがとうございました。


 ところで、今回の受注会では木型の修正が可能ということもあり、お客様の足を計測するために、当の職人たちも受注会開催期間の土、日、祝日には店頭におります。とはいえ、一日中オーダーのお客様がいらっしゃる訳ではないので、手の空いた時間にはビスポークシューズの製作実演を行っています。 


 皆様、「靴づくりの現場」ってご覧になったことはありますか?「靴づくり」には色々なやり方がありますが、特にビスポークシューズの製作は本当に手仕事の連続なんですよ。また、靴づくりの材料って、本当に「原材料」という感じで、全く出来上がった靴の姿を想像させるものが無いのです。それが、職人たちの手により段々と靴の形になっていく様は感動的ですらあります。この実演で製作しているのはビスポークシューズですが、実は九分仕立ての靴もほとんど同じような工程で作られているのです。それをご覧いただければ、8万円以上という金額も決して「訳の無い」ものではないとご理解いただけるはずです。 


ゴールデンウィークで5連休を取られた方も多かったと思いますが、この実演は8日()と9日()もやっていますので、お時間がありましたら、是非「REGAL WOMEN 銀座店」の2Fにお立ち寄りください。普段は聞くことが出来ない「靴職人」のここだけの話を聞くことが出来るかもしれませんよ。

こんにちは、田尻です。

先週の記事とは違い、私は、職人の視点で修理について考えたことを書いてみました。


 先日、工房にビスポークのオールソール修理が送られてきたのですが、修理靴というのは本当に結果の表れだと感じました。我々と靴の修理屋さんと違うのは、その修理する靴は自分達が作った靴であるということです。靴職人は、お客様の足を採寸し、木型を製作して靴を作り、お客様に履いてもらって、おしまい、では当然ないわけです。というのは、自分がお客様の足に触れ、考えて作った木型で、果たして思惑通りに足が収まっているのかということを確認しないと、その製作時の判断が正しかったかどうか判らないからです。


海外では1足目はトライアルシューズという考え方があると聞いたことがありますが、その考え方からすると、むしろ1足目をお渡しした後にこそ本当の「Be Spoken」が始まるのではないかとも思うのです。


作り手の良し悪しは、どれだけ多くの靴を作ったかだけではなく、自分で作った靴をどれだけ修理したかとも言えるのではないでしょうか。このオールソールをした靴は、4年程前に製作したもので、その当時の木型の考え方がぎっしり詰まっていました。その時に意図したことが時を経てみるとわかることは沢山あります。それは、履きこんで、お客様の足に馴染んだアッパーや中底など色々な部分がどうなっているのかを確認することで、自分たちの意図したことの結果が現れているからです。「作ったらおしまい」ではなく、その後のお客様にとっての「その1足」と向き合い、会話をすることがとても大切なことだと改めて感じました。今回、その靴を見て、ばらして、考察する事で1つ前に進めた気がしました。

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